Slovenia 1-0 Italia
WC予選最初の躓き
内容的には0-0で終わるべき試合でしたが、後半36分、スロヴェニアが数少ないセットプレーのチャンスを生かして1点をねじ込み、絵に描いたようなアップセットを決めてしまいました。
イタリアは、試合の主導権を握ることができないまま散発的な攻撃を繰り返すだけで、何度か決定機を作り出したとはいえ、どこから見ても大いに不満の残る試合。負けるべき内容ではなかった、という言い方もできなくはありませんが、だからといって勝つにふさわしい内容じゃなかったことは、それ以上に確かです。
1ヶ月前にノルウェー、モルドヴァと戦った時には、「4-2-3-1で戦うには、フィジカル・コンディションと戦術を浸透させる時間が不足している」と、オーソドックスな4-4-2を採用したリッピ監督。今回は、ユーロのつば吐き事件で喰らった出場停止が明けてトッティが復帰したこともあり、トラップ時代と同様の4-2-3-1で臨みました。
トッティのポテンシャルを最大限に生かそうと思ったら、やはりこのシステムがベストというのは衆目の一致するところ。これまでずっと、リジッドな4-4-2で戦い続けてきたローマのデル・ネーリ新監督も、どうやら4-2-3-1で行く心算のようです。
しかし、試合が始まってみると、フィジカル・コンディションと戦術を浸透させる時間が、今なお不十分なことは明らかでした。スロヴェニアが、攻守の両局面で前後左右にコンパクトな布陣を保ち、グラウンダーのパスをシンプルにつなぎながらチーム全体で押し上げる“組織的でアスレティックな”サッカーを展開してきたのに対し、イタリアは守備に回った時に2列目の3人が戻り切れないことが多く、中盤のデ・ロッシとガットゥーゾが、しばしば数的不利に陥って振り回されます。
幸いなことに、スロヴェニアには最後の30mで決定的な場面を作るだけのクオリティが欠けているので、結果的には大きなピンチに陥ることなくボールを奪い返すことができるのですが、問題はそこから。押し上げた勢いで速いプレッシャーをかけてくる相手をかわそうにも、数的不利でうまくパスコースが作れず、スムーズにボールが回りません。中盤でもたついているうちに、相手は素早く守備陣形を固めてしまうので、敵陣までボールを運んでもその先で行き詰まってしまいます。
最初から全開で来たスロヴェニアのペースが落ちる後半途中までは、開始直後の2分にジラルディーノがかなりおいしい決定機を外したのを除くと、危険な場面はまったく作れずじまい。ボールポゼッションは、スロヴェニアの方がむしろ高いくらいでした。
トッティはもちろんタイトにマークされており、そう簡単にボールを持たせてもらえず。多少スペースができた前半最後の15分は、中盤浅めの位置から得意のノールック&ダイレクトのスルーパスを何度か見せましたが、まだジラルディーノと呼吸が合っておらず、決定的なチャンスにはつながりません。
後半に入ると徐々に両チームとも陣形が間延びし始めますが、これもむしろイタリアに顕著で、スロヴェニアが主導権を握る(しかし決め手にはまったく欠ける)という形勢には変化なし。リッピ監督は後半23分、よく動いた割にいいボールをもらえなかったジラルディーノと、これが代表初招集でデビュー戦だったカリアリのサイドアタッカー、マウロ・エスポージトを下げて、トーニとフィオーレを投入、トッティをセコンダプンタに上げた4-4-2にシステムを変更します(中盤右にカモラネージ、左にフィオーレ)。その3分後、フィオーレの深いクロスをファーポストに走り込んだカモラネージが頭で折り返し、それをトーニがクロスバーに当てるという、この試合最大の決定機がありましたが、これも単発。
その後も埒の明かない攻防が続き、そのまま引き分けに収束するかに見えたのですが、後半36分、スロヴェニアが右サイド深いところで得たFKからのクロスを、攻め上がってきていたDFが頭でねじ込み1-0。トーニのクロスバー直撃を最後に、イタリアが点を取りそうな雰囲気はまったく漂っていなかったので、この時点ですでに試合は決まったようなものでした。
言いたいことは色々あるんですが、とりあえず今日のところは試合の概略のみにて。確かなのは、運動量と組織力で上回る相手を、個人のクオリティと狡猾な試合運びだけで何とかあしらおうという戦い方の限界は、とっくに明らかになっているということです。リッピがそこにメスを入れようとしていることは確かですが、まだ先は長そう。チームに染み付いたメンタリティはそう簡単に変わるものではないのかもしれません。■
Posted: 日 - 10月 10, 2004 at 03:33 午前