Italia 4-3 Bielorussia
楽勝のはずが……
4−3という派手なスコア。試合をコントロールしきれずにもたついたとはいえ、内容的にはイタリアが明らかに上回っていました。最初の20分はやや手こずったものの、26分にCKから相手のつまらないファウルでPKをもらい、それをトッティが決めて先制してからは、完全に主導権を手中に収めます。前半を2−0で折り返した時には、かなりの楽勝ムードでした。
ところが後半に入ってすぐ、ベラルーシの強力レフティ、ロマシェンコにバズーカ砲のような35mのロングシュートを叩き込まれてから、イタリアの様子がおかしくなります。また勝ち損ねるんじゃないかという不安に駆られたのか、すべてのプレーが消極的になり、局面局面で後手に回り始めて、相手に主導権(と同点への希望)をプレゼント。
リッピ監督は、明らかに不調だった右サイドハーフのディアーナを下げて、本来はボランチのペロッタを入れ、守備に不安を残すオッド(こちらはまずまず好調でした)を下げて、温存していたカンナヴァーロを右サイドバック(!)に入れ……と、守備固めの方向で修正を施します。
ここで攻撃的に3−1を狙いに行かないところがイタリアの限界、という言い方がよくされるのですが(ぼくもよくするのですが)、昨日見ていて、チームがそういうメンタリティを身につけていない現状ではまだ、仮に監督が攻撃的な采配をしたところで選手の方がそれに応えられず、かえって混乱したりバランスを崩したりするんじゃないか、という考えがふと頭をよぎりました。イタリア人はチェコ人でもオランダ人でもブラジル人でもありません。押し込まれたときは、まともに力で押し返そうとするよりも、耐えながら逆襲のチャンスを狙いつつリズムをつくるという戦い方の方が、彼らにとってはずっと自然な振る舞いのはず。それに限界があることは、ここまでのアズーリの戦績がはっきりと物語っているわけですが、かといって、身体にしみついたメンタリティを変えるためには、それなりの時間(と監督の仕事)が必要でしょう。
リッピが率いた歴代のユーヴェが、1点のリードを受けに回って守り倒すチームだったことはありません。代表を率いる今回も、ジラルディーノ、デ・ロッシといった若手を大胆に抜擢して、2006年に向けた世代交代をじわじわと進めていく中で、目の前の現実にはリアリスティックに対応しつつ、徐々にチームのメンタリティを変えていこうということなのかもしれません。試合から一夜明けた今朝の「私はセレクターではなく監督でありたい。代表ではそれが難しいことだとわかっているが、トライする価値は十分あると思っている」というコメントも、その方向を指し示しているように見えます。
さて試合の方は、15分ほど受けに回って耐えた後、珍しく敵陣に攻め込んだ後半29分、いい位置でファウルをもらってのFKをトッティが美しい弾道で叩き込み、一度は3−1になったのですが、その3分後にガットゥーゾが自陣エリア内で致命的なパスミスを犯して3−2のゴールを献上。
残り15分を切ったこの頃になると、両チームともかなり疲れが目立ってきて展開が大雑把かつオープンになります。こうなるとさすがに、自力に勝るイタリアが有利。ザンブロッタ(マンオブザマッチは彼でしょう)が攻め上がって放ったミドルシュートをGKが弾き、そこに詰めたジラルディーノが押し込んで4−2。いい加減これで決まりかとおもったら、43分にロマシェンコが今度はFKを決めて4−3。
このロマシェンコ、トラブゾンスポール(トルコ)なんていう日陰のクラブ(UEFAカップ敗退済)でプレーしていますが、左足に話を限ればレコーバ級です。ベラルーシには、5月のU-21欧州選手権でアズリーニを翻弄しまくったフレブ(シュツットガルトの10番)がいるのに、どうして出さないんだろうと思って見ていたのですが、完全にロマシェンコと同タイプだけに、まあベンチも仕方ないかと納得。
ロスタイムも含めた最後の5分は、もう戦術関係なしのオープンな打ち合いでしたが、イタリアがなんとかしのいで4−3のままゲームセット。何とか面目を保った格好になりました。ゲーム内容、相手との実力差、どちらから見ても、こんなに苦しまなくてよかったはずの試合だったんですが……。
次のWC予選は、来年3月26日のスコットランド戦。それまでの間、代表招集の機会は、来月の中国遠征(ビッグクラブ勢は免除)と2月の親善試合の2回だけなのですが、どちらも若手、新戦力のテストという意味合いが強くなりそうです。その結果、そしてカンピオナートでのベテラン組のプレーぶりによっては、3月に目にするアズーリは、思った以上に世代交代が進んでいるかもしれません。■
Posted: 木 - 10月 14, 2004 at 05:42 午後