AMICHEVOLE: ITALIA 2-2 REP.CECA
45分一本勝負・アズーリ判定勝ち
両チームの先発メンバーは下のエントリーの予想とまったく同じでした。注目の前半は1-1。内容的にいえば文句なくイタリアが優勢でした。率直にいってアズーリは期待以上の出来。
最大のポイントは、ネスタ、レグロッターリエ(とりわけ前者)がチェコの1トップ・コラーのポストプレーをほぼ完全に抑え込んだことです。下のエントリーでも書いた通り、チェコはコラーにクサビの縦パスを入れて、そのセカンドボールからシュートにつながる展開を作るのがひとつのパターンなのですが、そういうシチュエーションは前半を通してほんの2、3回しかありませんでした。
コラーが常にマークされているので、チェコはボールを持ってもなかなか縦に展開できず、手数をかけて攻めることを強いられます。センターバック2人を除くと上手い選手ばかりなので、きっちりパスがつながってイタリア陣内半ばまではボールを運ぶのですが、その間にイタリアはヴィエーリを除く10人がボールのラインより後ろまで戻ってしまうので(左サイドのデル・ピエーロもしっかり戻っていました)、そこから先の攻め手がありません。せいぜい、ちょっとした隙間をみつけてネドヴェドやロシツキがミドルシュートを放つくらい。コラーにボールが収まった時には、ネドヴェド、ポボルスキ、ロシツキ、果ては左SBのヤンクロウスキ(最終ラインに置いておくのは勿体ないです)までが上がってきてどんどんラインの間や裏に走り込むので、非常に危険な状況が生まれるのですが、今日はほとんどそれが見られません。
攻撃に時間をかける分、イタリアが深めの位置でボールを奪った時にはチェコの最終ラインもかなり押し上がっています。そこで生きるのが中盤の底に構えているピルロ。彼にボールが渡ったその瞬間に左サイドのデル・ピエーロ、中央のヴィエーリ、どちらかがラインの裏に向かってスタートを切ると、そこに40m級の正確なロングパスがぴったりと送り込まれます。これで一気に攻守が切り換わり、イタリアはパス2、3本で決定的なチャンスを作り出すわけです。ロングパスが出せない時にピルロが探すのは、この時点で中央やや上り目の位置でマークを外しているトッティ。ピルロからの縦パスを、トッティが十八番のダイレクト&ノールック・スルーパスで前線に送り込み、一瞬のスパートでDFをぶっちぎったヴィエーリがあっという間にGKと1対1になっているというしびれる場面が二度もありました。
前半の決定機は、イタリア4に対してチェコ1。前半13分にイタリアが決めた先制ゴールは、ピルロのロングパスからデル・ピエーロが左サイドを抜け出し、ヴィエーリにクロスを送ったものの、ヘディングシュートがポストに嫌われ〜そのこぼれ球をデル・ピエーロがシュート〜それがGKに弾かれたところを詰めていたトッティが中央に流し、最後はヴィエーリがDFふたりと競りながら無理やりねじ込む、というしつこい展開で奪ったものでした。他にも何度かこの3人のパス回しによる組み立てから攻め込む場面がありましたが、細かいパス交換じゃなく、10mとか15mの速くて正確なパスをダイレクトでぴしっとつないで一気に局面が展開するところは、さすがとしかいいようがありません。「驚嘆のトリオが奏でる極上のアタッキングメロディー」とか、そういう恥ずかしい言い回しすらぴったりはまってしまう、なかなか見応えのある攻撃でした。
チェコの同点ゴール(41分)は、右30度、35mのつまらないFKをエリア内で競ったシュタイナーに頭で決められたものですが、これはレグロッターリエとパヌッチの明らかな不注意&マークミス。こういう失点はこういう失点で問題だとはいえ、これを除くと、守備の局面はほぼ文句をつけるところがない出来でした。不安だった中盤も、ネスタ率いる最終ラインがアズーリにしては高い位置で踏張って中盤との間隔を短く保っていたのと、ペロッタが目立たないながらいい働きを見せていたのとで、予想以上の安定度。ピルロも1対1ですこんと抜かれたのは1回だけで、実はディフェンスの能力もかなり上がっているのではないでしょうか。
実をいうと、これが代表デビューだった左SB・ベッタリーニのところから、何度かポボルスキに突破を許してチャンスを作られているのですが、まあ彼はおそらく本大会には選ばれないので大目に見ることにしましょう。不安があるとすればむしろレグロッターリエでしょうか。ユーヴェでもそうですが、1試合に一度か二度、かなり致命的なミスを犯すのがちょっと……。
所詮は親善試合だけにハードな削り合いも神経質なところもまったくなし、フェアでクリーンな戦いだったので、すべてを真に受けるわけにもいきませんが、まあそんなわけで45分一本勝負はイタリアの判定勝ちと言っていい内容でした。選手の大半が入れ替わった後半は、親善試合というよりは練習試合なので割愛します。ちなみに2点目を決めたのはイタリアがディ・ナターレ、チェコがロシツキでした。■
Posted: 水 - 2月 18, 2004 at 11:49 午後