UN TRUCCO PER NON RETROCEDERE
破産しても降格せずに済む方法
センシ会長がついに公の場で音を上げたローマ(「もう限界だ。シーズン終了までに何かが起こってくれないと……」)、依然UEFAライセンス取得のメドが立っていないラツィオ、パルマ、実は最も深刻な危機にあるBのナポリと、いくつもの名門クラブが来シーズン以降の存続が危ぶまれる状況に陥っていることは、これまでここでもお伝えしてきた通り。FIGCとイタリアプロサッカーリーグでは、来シーズン以降、UEFAライセンスにほぼ準じた登録基準を厳格に適用する方針を固めており、下手をすると7月30日の登録期限には、セリエA、Bの計42クラブのうち両手に余る数がこの基準を満たせなくなることになりそうです。
そうなればカルチョの世界は文字通りの大混乱に陥ることが必至、というわけで、すでに政府とCONI(イタリアオリンピック協会/日本のJOCに当たる組織だが、実質的にはスポーツ界全体の統括組織であり、機能はむしろ体協に近い)が語らって、それを回避するための秘策を練り始めています。その基本的なアイディアは、クラブの名称とカンピオナートに登録する権利を運営会社(クラブの経営主体)から分離し、各都市(自治体)に所属するものとする——というもの。
具体的な例を挙げれば、もし仮にASローマが破産したとしても、ローマという名称とセリエAにチームを登録する権利はローマ市が預り、新たに設立された運営会社に改めて委託することができるということです。もしこの構想が実現されれば、ローマやラツィオやパルマが破産したとしても、別の誰かが自治体と語らって運営会社を設立し、クラブを同じカテゴリー(つまりセリエA)に保ったまま、新しいシーズンを始めることができることになります。
率直に言って、こんなインチキはありません。これまでボローニャ、カターニア、ピーサ、そしてフィオレンティーナなど数多くのクラブが破産によって下のカテゴリーからの再スタートを余儀なくされて来ました。ローマやナポリ(いずれも政財界、銀行の利害が強く絡んでいる)だけは破産しても降格せずに済むというのは、どう考えても不公平かつ理不尽です。
またこれまでは「破産=降格」という状況に対する恐怖が、クラブ経営者にとっての倫理的な歯止めになってきた側面もあります。しかし、もし破産しても降格せず同じカテゴリーに残れるということになれば、例えば計画倒産のような不透明なオペレーションもずっとやりやすくなると思われます。一種のモラルハザードが生じる可能性も高いということです。
この問題は、本当はもっと掘り下げる必要があるのですが、生憎時間がないので、とりあえず第一報のみにて。■
Posted: 木 - 3月 4, 2004 at 04:31 午後