GIOVANE, ALTO E LENTO ヘラクレスの14番


昨日か一昨日の話ですが、ふとTVをつけたらオランダリーグの開幕戦、ヘラクレス対PSVをやっていて、最後の20分ほどでしたが興味深く観戦。内容的には、人もボールもよく動くところは非常に好ましいのだけれど、相手を完全に崩さないうちは無理してシュートを打たずに後ろに戻してしまうところがすごく歯痒い、いつものオランダサッカーです。
最後の20mを個人能力に依存する度合いが(過剰に)高く、少しでもシュートコースが見えると強引に打つのが当たり前のイタリアサッカーを見慣れている目には、「なんでそこで戻すかなあ〜」という場面ばっかりなのですが、ダメ元で強引にシュートを打つというのは、合理主義精神のかたまりみたいなオランダ人のメンタリティからすると、きっと単なる理不尽でしかないのでしょう。
個人の力に期待するよりも、コレクティブな力で相手を崩し切ってからシュートを打つ方がゴールの確率はずっと高い、というのは、確かにひとつの見識ではあります。実際、昇格組のヘラクレスはもちろん、昨シーズンのチャンピオンであるPSVにすら、単独で違いを作り出せる突出した力を持った個人がいるわけではないし(反面、基本的なボールスキルや戦術感覚の平均値は十分高い)。でもそれ以上に、集団の運命を個人の力に委ね、それに依存するというやり方そのものが、きっとオランダの人々にはあまりしっくりこないのだろうと思います。
PSVは、ファン・ボンメル、フォーゲル、パク・チソンと、中盤のキープレーヤーがごっそり抜けただけに、サッカーの質は昨シーズンと比べて明らかに落ちている印象あり。目立ったのはコクーとリ・ユンピョくらいでした。ファルファン、ロベルト、ビーズリーといった攻撃陣は、イタリアならセリエBクラスです。唐突ですが、柳沢がここに入ったらかなりやるんじゃないかという印象。メッシーナなんかでくすぶっているよりもずっといいんじゃないでしょうか。マジで。
平山の入団が決まったヘラクレスは、PSVと比較すると実力差は歴然(試合は引き分けでしたが)。それはそれで当たり前のことなのですが、気になったのは、センターフォワードに入った14番の選手(たぶん途中出場)が、若くてデカくてちょっとノロい、つまるところ、見るからに平山と同タイプだったことです。こういうFWがいるのに、あえて平山を獲る必要がどこにあったのか、というのが正直なところ。
とはいえ、平山のキャリアを考えれば、プロフットボーラーの形成期として最も重要な20歳前後の時期を、日本の大学リーグというレベルの低い環境で送るよりも、欧州強国の1部リーグというレベルが高く刺激の多い環境で過ごす方が、得られるものがずっと多いことは火を見るよりも明らかです。03年12月と05年5月、二度のワールドユースの間に彼がどれだけ成長したか(否、しなかったか)を見るにつけても……。
試合に出られる出られないにかかわらず、今回の移籍が平山にとってプラスになることは間違いないでしょう。すぐに結果を求められているわけではない。大事なのは経験を積むこと。そういう目で見守りたいものです。■

Posted: 火 - 8月 16, 2005 at 12:06 午前        


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