ZIZOU CACCIA LA JUVE NEI GUAI ドーピング裁判、ジダンの証言


月曜日にトリノでまた、ユーヴェのドーピング裁判の公判が開かれました。今回証人として出廷したのはジネディーヌ・ジダンとジャンルカ・ヴィアッリ。日本でも一部のメディアでこの件が報道されているのですが、「選手に禁止薬物を投与した罪に問われているユヴェントス」というAP電は、事実誤認誤訳かのどちらかです。
以前もちょっと触れましたが、この裁判の争点は「禁止薬物を投与した」疑いではなく、「医師の処方を必要とする薬(禁止薬物リストには載っていない)を治療目的ではなく選手のパフォーマンスを高める目的で使用した」疑いです。薬の種類ではなく、使用目的がドーピング行為にあたるという疑いがかけられているわけです。
槍玉に挙がっている薬も、ナンドロロンや成長ホルモンといった禁止薬物ではなく、消炎鎮痛剤、抗うつ剤、心筋症治療薬といった医療目的の薬です。これを健康体の選手に対して、疲労感の軽減、意気高揚、心肺機能強化などの目的で、しかもしばしば本来の用量を大幅に越えて投与したことが問題だ、というのが検察側の主張。
ジダンは月曜日に、「クレアチンを飲んでいたのはユヴェントスでだけ。フランスでもスペインでも飲んだことはない」と証言して、これが大きく取り上げられていますが、まあクレアチンは自然に体内で生成される成分であり、禁止薬物ではないということもあって、それほど重要な争点ではありません(検察側の論理は、自然に生成される量の数十倍という大量投与で筋肉増強に使えばこれもドーピングにあたる、というものですが)。
この日の証言でむしろ重要だったのは「Samyrを試合前のホテルで静脈注射していた。ドクターからは回復に効くビタミン剤だという説明を受けていた。年間70試合を戦うためにはそうする必要があった」という内容の方でしょう。Samyrというのは実はビタミン剤ではなく抗うつ剤。これを疲労感の軽減と意気高揚(要するに興奮剤の代用)に使っていたのではないかというのが検察側の容疑であり、ジダンの証言はそれを裏付ける内容です。
この一件からもわかる通り、公判はユヴェントス側に非常に不利な形で進行しており、弁護側の論理は二転三転、いまではほとんど破綻しています。当初は投与そのものを否定していましたが、その主張が覆されると、今度は、使用した薬は治療効果が否定されているからドーピングにはあたらない、と言い出しています。効かない薬を使ったからドーピングではない、というのはすごい論理ですが、いずれにせよ健康体の選手にどうして抗うつ剤や心筋症治療薬を投与する必要があったのかの説明にはなっていません。
裁判は今回の公判で、EPOに関するラボラトリーの検査が必要だという話になったため、予定されていた今後のスケジュールをキャンセルして、3月までストップ。その検査結果が出てから再開することになっています。■

Posted: 水 - 1月 28, 2004 at 11:48 午前        


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