IN CORSO L'88^ GIRO
ジーロ・ディタリア、最初の山場
というわけでセリエAも大詰めなんですが、それと同じくらい気になるもうひとつのビッグイベント、ジーロ・ディタリアも今週からスタートしています。自転車ロードレース界は、今年からシステムが大きく変更になって、F1とか二輪ロードレースみたいに、トップレベルの20チームが年間のシリーズに登録し、カレンダーにリストアップされたメジャーなレースにはすべてエントリーしなければならない、プロツアーと呼ばれる仕組みが導入されました。おかげでチームの離合集散、レーサーの移籍などがかなりあって、このジーロでも、おなじみのレーサーが見慣れないジャージで走っていたりします。プロツアーのおかげで今年は、これまで7月のツール・ド・フランスに照準を合わせてジーロを回避してきた有力チームも、揃ってエントリーしており(メンバーは落としていますが)、全体的なレベルは明らかに上がっている模様。とはいえ、今年のコースは、主役である昨年の覇者ダミアーノ・クーネゴ(ランプレ)と、そのチームメイトにして骨肉のライバル、ジボ・シモーニ、そして昨年のツールで3位に入ったイヴァン・バッソ(CSC)などの戦いを引き立てるべく、後半戦にハードコアな山岳コースが連続する極度にクライマー向きの設定になっているので、ツールでランス・アームストロングに引導を渡そうと意気込む大物クロノマンたち(ウルリッヒとかヴィノクロフとかマギーとか)は、調整目的のエントリーすらしていません。ここまでの6日間は、アテネ五輪金メダルのパオロ・ベッティーニ(クイックステップ)と、久々に好調のダニーロ・ディ・ルーカ(リクイガス)という、ワンデイレースを本職とする(=好調なのは1週目だけ)ふたりが主役。昨日はディ・ルーカが、地元アブルッツォで難しい上り坂のスプリントを制し、1秒差でベッティーニからマリア・ローザ(ピンク色のリーダージャージ)を奪い取りました。「地元で初めてのマリア・ローザを勝ち取れるなんて最高。俺のジーロは実質今日でおしまいだ」というのがレース後のコメント。どういうことかと思ったら、ベッティーニの地元トスカーナが舞台だった今日のステージでは、6秒のボーナスがもらえる中間地点(インテルジーロ)のスプリントに参加しようともせず、そのボーナスをもぎ取ったベッティーニにマリア・ローザをプレゼント。レース後ベッティーニは、「明日は全コースが地元のトスカーナ。そこをマリア・ローザで走れることは大きな誇り」と語っています。地元でいいところを見せるというのは、この世界では誰もが非常に大事にしていることなんですね。それに絡んだこういう小さな利害の貸し借りというか、相手に花を持たせたり顔を立ててやったりしながら、より大きな利害に向けての同盟関係を作ろうとする、少なくとも恨みを買って足を引っ張られないようにしておくというのは、ジーロやツールのような長丁場のステージレースでは不可欠です。それをやらないと、こういうことが起こってしまったりもするのが、この世界の現実です。さて、毎週週末に山場を持ってくるというのは、この種のレースのお約束。この第1週も、明日土曜日に最初の本格的な山岳コースが組まれています。トスカーナの丘陵地帯をアップダウンして、最後にカテゴリー1山岳GP(6km/平均8%、最高11%)があり、ピークのサンモンメ峠を越えたらそのまままっすぐ17km下ってゴールという、手始めとしてはなかなかのコース設定(全長211km)です。最後の下りはほとんどまっすぐなので、上りでついた差を縮めることはまず不可能。つまりサンモンメの上りが勝負です。クーネゴ、シモーニ、バッソに加えて、2000年の勝者ステーファノ・ガルゼッリ、昨年のジーロで驚異の粘りを見せたダリオ・ダヴィデ・チョーニ(ともにリクイガス)、そして怪我に悩まされた2年間のブランクから復活したダウンヒルの帝王パオロ・サヴォルデッリ(ディスカヴァリー・チャンネル)といった優勝候補たちのコンディションをチェックするには絶好の機会。楽しみです。というわけで、今日は久しぶりに取材も〆切もない1日だったので、思わずたっぷり更新してしまいましたが、この先はたぶんまた五月雨式に戻ると思います。■
Posted: 金 - 5月 13, 2005 at 06:06 午後