GIRO D'ITALIA
ジーロ・ディタリアがスタート
ここ北イタリアは5月に入ってやっと春爛漫という感じ。これから熱い夏が始まるまでの1ヶ月弱が、1年で一番いい季節です。毎年ちょうどその時期に行われるのが、伝統のイタリア1周自転車ロードレース、ジーロ・ディタリア。今年も昨日からスタートして5月30日まで、2度の休息日を挟んで全20ステージの戦いが続きます。世界的なトップチーム、トップレーサーの多くは、7月のツール・ド・フランスに焦点を合わせて調整してくるので、欧州三大ステージレースのひとつとはいえ、このジーロの主役はやはりイタリアのチームとイタリアのレーサーということになります。今年は何故かドイチェ・テレコムもいないし、毎年出場していたスペインの大手チーム・ケルメ(いつも誰かが派手な大逃げを打つので賑やかしとしての貢献度は非常に高かった)が、マンサーノのドーピング告白騒動
で出場を拒否されたので、ますますその色彩が強いように見えます。優勝候補は昨年と2001年の覇者ジルベルト・シモーニ(Saeco)と、2000年に優勝したステーファノ・ガルゼッリ(Vini
Caldirola-Nobili)。シモーニは山岳ステージを得意とする典型的なクライマーですが、平地のステージでも安定してトップグループについていくスタミナとスピードの持ち主。一方のガルゼッリは大型のオールラウンダーで、厳しい上りも安定したペースで乗り切る地力があります。総合優勝した2000年のジーロでは、パンターニのアシストでハーザグランデとシモーニを振り切り、マリア・ローザ(総合1位のピンクジャージ)を最後まで守りました。一方、平地のスプリントは、“ライオン・キング”ことマリオ・チポッリーニ(Domina
vacanze/もはや大ベテラン)と、昨年のジーロでそのチポッリーニを何度となく破ったアレッサンドロ・ペタッキ(Fassa
Bortolo)の勝負という、昨年と同じ構図になりそうです。今回は、マルコ・パンターニ亡き後初めてのジーロ。シモーニやガルゼッリはスター性があまりなく、メディア的な盛り上りに欠けるところがあるのも確かです。レースの主催者であり当然報道にも一番力を入れているガゼッタ・デッロ・スポルト(リーダーのジャージがピンクなのはもちろんそのため)は、それもあってか、新しいスターを作りだそうと躍起になっている印象あり。トップから13面までを費やしてジーロのスタートを報じた昨日の紙面で、シモーニ、ガルゼッリに次ぐ優勝候補として、まだ22歳のダミアーノ・クーネゴ(Saeco)の名前を挙げているのもその一環のように見えます。この世界はカルチョ以上に年齢と経験がモノを言う世界で、レーサーとして成熟し、トップレベルで戦えるようになるのは20代後半からというのが普通。もちろんクーネゴが、将来有望なビッグタレントであることは間違いないでしょうが(かつてMercatone
Unoでパンターニの監督だったSaecoのジュゼッペ・マルティネッリ監督は「クーネゴは2006年からうちのエース。その後10年間ジーロを勝ち続けるだろう」と断言している)、あまり早くから囃し立ててプレッシャーをかけるのも……という気はします。もうひとりのダークホースといわれるヤロスラフ・ポポヴィッチ(Landbouwkredit-Colnago)は、24歳とはいえ昨年のジーロで3位という実績があるからいいんですが。いずれにせよ、クーネゴは今年はシモーニのアシストですから、シモーニが潰れない限りどんなに好調でも優勝を狙いに行くことはないはず。ちなみに、一方のガルゼッリにはパヴェル・トンコフ(96年優勝)という老狐がアシストについています。チーム的に見ると、主役はやはりシモーニとクーネゴを擁するSaecoでしょうか。そのSaecoと並ぶ強豪であるFassa
BortoloとLampreが、それぞれダリオ・フリーゴ、フランチェスコ・ハーザグランデを故障で欠いて総合優勝を狙えないというのが、ちょっと寂しいところ。Saecoにはダニーロ・デ・ルーカという数年前に将来を期待された中堅もいるのですが、ここ1、2年はステージレースよりもワンデーレースの方に力を入れている様子。いずれにしても今年のジーロは体調不良で欠場ですが。ネタ系で面白そうなのは、スポンサーの露出だけを目的に、総合順位もステージ優勝も関係なく毎ステージ逃げを打ちまくるであろうTenaxとAcqua&Sapone、道が上りになった途端にアタックをかけまくるであろうColombia-Selle
Italia(フレディ・ゴンザレスという玉砕型クライマーを擁する)あたりでしょうか。いずれにせよこれから3週間、毎日のレースが楽しみです。日々のレポートは、日本語では間違いなく一番詳しいこちら
(最近発見して愛読中。筋金入りのファンサイトです。Complimenti!)でどうぞ。実は書くべき原稿が溜まっていて、BLOGの更新をしている場合ではないのですが(よって今後もやや停滞が続きます)、ちょっと見ていたTVのスポーツニュースにつられて、思わず手が滑ってしまいました。■
Posted: 日 - 5月 9, 2004 at 12:53 午後