◆26日、ワールドカップに向けたイタリア代表チームの背番号が発表されました。 背番号決定、バッジョは18番(5/28)
10番をもらったデルピエーロは練習を開始
その決め方は、単純明快で機械的なもの。つまり、まず慣例に従ってキーパー3人に1番(ペルッツィ)、12番(パリウカ)、22番(ブッフォン)を割り当てた後は、まずDF、次にMF、最後にFWと、選手をポジション別のグループに分け、各グループ内でABC順に若い番号から割り振っていく、という方法です。
ここには、マルディーニ監督のチーム・マネジメントに対する姿勢がよく現れているのですが、それについては、今週の「2002JAPAN」("Vews from Europa")に原稿を書きましたので、そちらをご参照下さい。発表された背番号は以下の通りです。(GK)
1 Peruzzi, 12 Pagliuca, 22 Buffon
(DF)
2 Bergomi, 3 Mardini, 4 Cannavaro, 5 Costacurta, 6 Nesta, 7 Pessotto, 8 Torricelli
(MF)
9 Albertini, 11 D. Baggio, 13 Cois, 14 Di Biagio, 15 Di Livio, 16 Di Matteo, 17 Moriero
(FW)
10 Del Piero, 18 R. Baggio, 19 Inzaghi, 20 Ravanelli, 21 VieriABC順だというのがわかるようにアルファベット表記にしましたが、これを見ると「例外」があることに気づくと思います。本来は3番がコスタクルタで5番がマルディーニのはずですが、これが入れ替わっているのがひとつ、デルピエーロが10番をもらっているのがもうひとつです。
マルディーニは、キャプテン(であり監督の息子でもある)ということで、特例として、「マイナンバー」である3番をもらった格好。デルピエーロの10番は、故障からの復帰をみんなが望んでいる、その願いを込めたプレゼントというところでしょうが、同時に、やはり「10番」にこだわりがあるR. バッジョとの序列をはっきりさせて、何かと騒がしい世間(というかマスコミ)を黙らせるという意図もあるのではないか、と深読みすることもできなくはありません。
しかし、この「微調整」で、「例外」なしの場合よりも「収まり」がかなり良くなったことは確かです。最年長のベルゴミに「マイナンバー」の2番が当たっているのも、偶然とはいえ「敬意」が感じられるし、コスタクルタもマルディーニと交換で慣れ親しんだ5番を手に入れています。また、デルピエーロに10番を「プレゼント」したことで、本来ならR.バッジョに17番、デルピエーロに18番が当たるはずだったところを、バッジョがミラン時代の18番を手に入れ、モリエーロには16番ではなくインテルで背負っているのと同じ17番が回りました。インザーギの19番は'90年イタリア大会のスキラッチと同じ、ラヴァネッリの20番は'82年大会のパオロ・ロッシと同じ―と、FW陣もそれらしくまとまりました。
割を喰った、というわけでもないのでしょうが、ちょっと落ち着かないのが、アルベルティーニの9番、D. バッジョの11番というところでしょうか。ま、これは仕方ありません。◆問題のデルピエーロは、ドクターが最終的に支持した6日間の安静を経て、今日(28日)から練習を始めました。練習といっても、もちろん別メニュー。今日は軽いジョグのみです。とりあえずは様子を見ながら徐々に負荷を高めていく、という感じでしょう。
見通しとしては、初戦のチリ戦(6/12)に間に合うかどうかは微妙ながら、フランス自体はほぼ間違いなく大丈夫、ということのようです。もしチリ戦に間に合わず、そこでR. バッジョが大活躍でもしてしまった日には、次の試合にどちらを使うか、イタリア中を巻き込んだ大論争になるに違いありませんが...。◆代表がワールドカップに向けて準備している間にも、各クラブでは来シーズンに向けたチーム作りの動きが進んでいます。実際、代表22人のうち、来シーズンも同じチームに残ることが確実なのは、半数の11人だけ。残りの半分の選手には、移籍の噂が流れています。
この数日の「目玉」は、やはりR. バッジョ。去年バッジョを「拾った」ボローニャは、来シーズンは元ローマ、ナポリのマッツォーネ監督を迎え、チームカラーも少なからず変わることが予想されています。ただ、バッジョは、ティフォージから愛されていることはもちろん、クラブにとっても「戦力」である以上に、観客動員やサイドビジネス(マーチャンダイジング、スポンサー獲得)に貢献する「パンダ」として重要な存在。年内には、ラツィオに続く株式公開をめざしていることもあり、経営上、できることならバッジョを手放したくないところです。
そのため、ガッゾーニ会長はバッジョに対し、現在の25億リラ(=約2億円)から34億リラ(=約2億7000万円)への年俸アップ(約33%)に加えて、クラブが主催するサッカースクールを「ロベルト・バッジョ・サッカースクール」という名前にし、バッジョ自身にも運営に参加させる(バッジョは以前から、引退後はユースの育成に貢献したいと口にしている)という条件で、2000年までの契約をバッジョの代理人に提案しました。しかし、ここで浮上してきたのがインテル。今年のチームを大きくいじらない、と宣言したはずのモラッティ会長が、バッジョに食指を伸ばして来たのです。
確かに、ロナウドのパートナーを考えたときには、ジョルカエフはプレイスタイルが合わない、ザモラーノは故障がち、カヌー、レコーバは、将来性はあるものの経験と安定性が不足―と、それぞれいまひとつ安心できないところがあります。スクデットを穫るためには、やはり今年のユーヴェ並みの得点力(「デルピッポ」で39点)が必要、というのは今シーズンの教訓だけに、バッジョは確かに魅力的です。
インテルがバッジョの代理人に提示した条件は、年俸40億リラ(=約3億2000万円)の2年契約。おまけに、ボローニャに残れば良くてUEFAカップですが、インテルならばバッジョに残された数少ない未踏峰、チャンピオンズ・リーグを戦うことができます。
ボローニャのガッゾーニ会長は、先に挙げた契約条件について「これがボローニャが提示できる限界」と語っていますから、提示された条件だけ考えれば、インテルのそれの方が有利なことは間違いありません。ただ、インテルに行った場合、常時出場できるとは限らない、周囲のプレッシャーやストレスも大きい、といったネガティヴな要素も受け入れなければならないというのはあります。ボローニャに残っている限りは「王様」でいられるわけですから...。バッジョは、「来シーズンのことはワールドカップが終わるまでは考えるつもりはない」と言っており、最終的に結論が出るのはおそらくそれ以降でしょう。ともかく、1年間全身全霊を込めて戦い、勝ち取ったフランスが、バッジョにとって最後のワールドカップになるのは間違いない以上、来シーズン以降は、バッジョにとっては「余生」です。余生をどう過ごすか、というのは、プロフェッショナルな問題というよりは「人生観」の問題でしょう。胡散臭い資産管理人にはめられて数億円擦る余裕があるくらいですから、お金はもう十分稼いでいるのでしょうし、経済的要因の優先順位は、少なくとも一番ではないはずです(年俸5億円の4年契約を提示しているアーセナルに行かないと見られる最大の理由はそこにあります)。
◇ここで、日本には気がかりなクロアチア代表の話題。シーズン終盤を故障で棒に振ったボクシッチ(ラツィオ)は、回復に向かっておりフランスには間に合うと見られていましたが、改めて精密検査をした結果、半月板損傷で手術が必要と診断され、ワールドカップを諦めざるを得なくなりました。
クロアチア代表のブラゼヴィッチ監督は「ボクシッチが使えなくなったのは、半月板損傷を知っていながら、いままで手術をさせなかったラツィオのせいだ」と、強い調子でラツィオを非難しています。ラツィオとしては、ボクシッチをUEFAカップの決勝に使いたかったこともあり、手術をせずに回復を待つ道を選んだのですが、結果は、UEFAに間に合わなかったどころか、ワールドカップまで棒に振ることになってしまいました。ただ、ボクシッチ自身は「手術をしないということは、クラブと話し合って納得の上で選んだ選択だ。ラツィオに非はない」と語っています。半月板は、損傷の度合いによって手術するかしないかの判断が非常に難しい部位であることは事実ですが、ボクシッチにはまったく気の毒な結果です(日本代表にとっては「朗報」に違いありませんが)。ま、スーケルもヴラオヴィッチもいますから、全然安心はできませんけれど。◆21日夕方にメンバーが発表されたイタリア代表21人は、翌22日の午後6時にフィレンツェ近郊・コヴェルチャーノのイタリアサッカー協会トレーニング・センターに集合、31日まで9日間の合宿に入りました。ただし、20日にゲームのあったユヴェントゥス組(インザーギ、ディリーヴィオ、トッリチェッリ、ペッソット、ペルッツィ)は、24日までオフ。25日から合流です。 デルピエーロはぎりぎりまで「保留」(5/23)
「23人目」としてキエーザを代表に召集◆さて、問題のデルピエーロ。すでに、ユーヴェのチームドクターから、ゲームに出られる状態に回復するまでに「安静2週間、リハビリ2週間」という診断を受けていましたが、この日、コヴェルチャーノ近くのメディカルセンターで受けた精密検査の結果もまったく同様。4週間後、6/11は、まさにイタリアがチリとの初戦をボルドーで戦うその日に当たります。
報告を受けたマルディーニ監督は、とりあえず1日の猶予を取りましたが、今日下された決定は、「ぎりぎりまで様子を見る」というものでした。
具体的にはこうです。デルピエーロはコヴェルチャーノに残り、チームと行動を共にする。しかし、最終的に「間に合わない」時のことも考え、「保険」としてエンリコ・キエーザ(パルマ)を「23人目」として代表合宿に召集する。キエーザは、マルディーニ監督と話し、デルピエーロが間にあった場合はフランスには行けないことを承知で、召集に応じたということです。◆代表メンバーの発表を受け、国営TV局RAIが行った世論調査では、イタリア国民の75%が、今回の選考に満足、という結果が出ています。満足していないのは、おそらくラツィアーレの皆さん(カジラギ、フゼール、ネグロが落ちた)とロマニスタの皆さん(彼らはトッティが呼ばれない限り満足することはない)でしょう。
◆日本では、R.バッジョは、マルディーニ監督に「ずっとベンチでもいいか」と訊かれてOKしたから呼ばれた、と伝えられているようですが、これは誤りです。シーズン中、バッジョにこの質問を(何度も)したのはマスコミの連中(もちろんバッジョは「当然ですよ」と答えていました)。マルディーニ監督が、これもマスコミの「バッジョはベンチを受け入れると言っていますが...」という質問に、「それは私も知っている。彼については、あくまでも他の選手と同様、候補の1人として考えている」と答えていたのは事実ですが...。
バッジョは、代表復帰が決まって押し掛けてきたマスコミに対し「たった今テレヴィデオ(文字放送。イタリアでは普及している)で知ったばかり。本当に嬉しい。マルディーニ監督からは、事前の電話はかかってこなかった」と答えましたが、マルディーニ監督は、昨日のインタビューで、「バッジョには数日前に電話で伝えた。感激していた」と答えています。この食い違いがどこから来ているのかは謎です。◆実際に、「ずっとベンチでもいいか?」とマルディーニ監督に訊かれて「もちろんです」と答えたのは、91年以来7年ぶりの代表復帰を果たしたベルゴミでした。'82年優勝メンバーの唯一の生き残りである彼には、コスタクルタのリザーブとしての役割はもちろん、"Zio"(叔父さん)というあだ名の通り、グループのリーダーとしてのそれも期待されているようです。
5月21日、フランス・ワールドカップに向けたイタリア代表メンバーがやっと発表されました。 イタリア代表メンバー発表!!(5/21)
R.バッジョ、ベルゴミも選出。デルピエーロは保留!!
すでに見た"Tuttosport"のスクープ(下記参照)とほとんど同じですが、ユリアーノではなくベルゴミ(4回目のW杯!)、カジラギではなくラヴァネッリが選ばれています。ともかくはリストをご覧下さい。GK:ペルッツィ、パリウカ、ブッフォン
DF:マルディーニ、コスタクルタ、カンナヴァーロ、ネスタ、ベルゴミ、ペッソット、トッリチェッリ
MF:アルベルティーニ、ディマッテーオ、ディリーヴィオ、D.バッジョ、ディビアージョ、モリエーロ、コイス
FW:ヴィエーリ、インザーギ、R.バッジョ、ラヴァネッリこのメンバーは明日すぐにコヴェルチャーノのサッカー協会トレーニング・センターに集合、合宿に入ります。すでにお気づきのように、リストは定員に1人欠けた21人。しかもデルピエーロの名前がありません。
これは、昨日のチャンピオンズ・リーグ決勝で、右足太腿の軽い肉離れを起こしたため。数日中に、コヴェルチャーノのメディカル・センターで診断を受け、最終的にフランス行きのメンバーに加えるかどうかを判断するということです。デルピエーロにとっては、昨日の敗戦に続く二重のショックとなりました。「もしも」の場合の代役としては、トッティ(ローマ)がキエーザ(パルマ)をリードして最有力候補のようです。最大のポイントは、やはりR.バッジョが選ばれたことでしょうが、もうひとつ、ベルゴミが35歳にして代表に返り咲いたことも注目です。リベロとして復活した今季の活躍とその経験に加え、リベロだけでなくストッパーとしても信頼できるところが決め手になったということでしょう。
主な「落選者」は以下の通り。
カジラギ、フゼール(ラツィオ)、ゾーラ(チェルシー)、ユリアーノ、コンテ(ユヴェントゥス)、パヌッチ(R.マドリッド)。すでに見たように、デルピエーロが間に合わない場合、トッティかキエーザに文字どおり「最後のチャンス」が残されています。vol.1へ 当ページに対するご意見、ご感想をお待ちしています(こちらまで)。