Italia 2-2 Cile

R.バッジョ、イタリアを救う


6/11にボルドーで行われたグループBの第1戦、イタリア-チリは、1-2でリードされたイタリアが、終了5分前にR.バッジョのPKで辛うじて追いつくという苦しいゲームとなりました。レギュラーの何人かが未だに不調から脱していないのに加え、ディフェンス偏重のフォーメーションも十分に機能したとはいえません。出足が悪いのはいつものことながら、残る2試合をどう戦うのかも含めて、課題の残る試合でした。


1. LA PARTITA
試合の内容については、ご覧になった通りです。
例によってまず「受け」で入ったイタリアが、絵に描いたようなカウンター(バッジョのアシストは見事でした)で1点。ここで試合を決めにいくことも可能でしたが、いつもの悪い癖(?)で、「受け」の姿勢のままゲームをコントロールする体制に入ってしまいます。
CB2人が2トップにマンマークでつくのはいつものことですが、ディノ・バッジョまでも相手のゲームメーカー、エスタイのマークに張り付けたために、中盤は常に数的不利。ロベルト・バッジョがしばしばボールを受けに中盤に戻るものの、周囲のサポートが受けられず、後ろに叩くか、前を向こうとしてボールを取られるか、というケースがほとんどでした。結局はヴィエーリへのロングパスに頼るパターンが増えてきますが、これも落とした先には誰もおらず、攻撃の基点が作れません。サイドを使おうにも、右のディリーヴィオはロハスに完全に押し込まれ、左のマルディーニも、彼自身の出来は悪くなかったにせよ、それでなくとも不調のディマッテーオがアコスタにコントロールされているため、多少なりとも形になったのは、ロベルト・バッジョとのコンビネーションで上がった時だけでした。...というわけで、相変わらず受け身のまま前半が過ぎていきます。
ディフェンスの方は、2トップについたネスタとカンナヴァーロが、エリアの外ではほとんど常に、ザモラーノ、サラスへのパスをカット。さすがに人数をかけているだけあって、チリに大きなチャンスをほとんど与えないまま前半45分をやりすごしました。
しかし、ロスタイムに入った47分、CKから同点に追いつかれてしまいます。ザモラーノがハイボールへの強さを見せてヘディングで落としたボールに対するサラスの反応は、カンナヴァーロのそれを上回っていました。これで、後半は1から出直しです。

1-1で前半を終えるはずが、終了間際に同点に追いつかれた精神的ダメージから立ち直っていなかったのでしょう、後半開始直後のイタリアは、まったく精彩を欠いていました。早くも49分には、右サイドからのアーリークロスをめぐる競り合いで完全にカンナヴァーロを上回ったサラスがヘディングで決め、逆にチリが2-1でリード。
ここからマルディーニ監督は、まったく「不在」だったディマッテーオに替えてディビアージョを、さらに、ロハスを止めきれず2枚目のイエローをもらってもおかしくなかったディリーヴィオに替えてキエーザを投入して、やっと攻撃に出ます。しかし、後半半ば過ぎまでは、ボールを持ってもほとんど個人プレー頼りで、状況を打開するきっかけが掴めません。ボールが前線まで届くようになったのは、ヴィエーリに替えてインザーギを投入し、チリも精神的に守りの体制に入った(しつこい時間稼ぎはいかにも南米のチームらしいものでした)75分を過ぎてから。
最後の15分の「抵抗」には、イタリアの潜在的な底力が多少なりとも表れていました。とはいえ、チャンスらしいチャンスは、いずれもロベルト・バッジョ絡み。同点のPKを呼んだハンドは、まあ、審判からのプレゼントでしょう。しかし、これをきっちり決めるところは、さすがバッジョです。
同点に追いついた後もイタリアが攻め込んだものの、結局試合は2-2で終了。内容的に見れば、負けていてもおかしくない試合でしたから、とりあえずこれでよしとするしかありません。攻撃面では、中盤から組み立てられずカウンターだけが頼りというオプションの少なさ、守備面ではハイボールへの弱さと、課題の残る試合ではありました。終盤、フィジカル的に落ちなかったのは好材料ですが。

◆ ◆ ◆

2. LE PAROLE
マルディーニ監督の試合後のコメントは次の通り。
「最初の試合というのはいつも難しいものだ。初戦の緊張が高くつくことは最初からわかっていた。もちろん、これから修正していかなければならないところはたくさんある。ああいうゴールを喰らうのは避けなければならない」
「後半、3人目のフォワードを投入したのは、何とか逆転して勝ちたかったからだ。あのまま負けるわけにはいかなかったことは、誰の目にも明らかだろう。チリが勝ってもおかしくない試合だったって?我々だって、勝ってもおかしくなかった。終了間際にパオロ(マルディーニ)があのクロスに届いていれば3-2だったのだから。前半に2-0にするチャンスもあったが、ロスタイムに入って同点にされてしまい、負けることを恐れながら後半を迎えることになってしまった。でも、サラスの2点目が入っても、彼らの期待に反して、うちの選手たちは意気消沈することがなかった。彼らはよく抵抗したし、だからこそ、我々が勝ってもおかしくなかったと言いたいと思う」
「バッジョの出来はとても良かったが、彼1人がイタリアを救ったわけでは決してない。全員の力だ。バッジョを連れてきたのは、彼が素晴らしいシーズンを送ったからで、彼に大きな仕事を期待するのは当然だろう。少なくとも私は、バッジョの働きには驚いていない」
「チリが審判のことを嘆いているというけれど、私にはなぜなのか全然わからない。あのハンドは明らかにファウルだったし、その前にも、キエーザのプレーでチリの選手が手を使ったのを、審判は見逃している。大体、サラスのゴールを喰らったのはロスタイムだったが、前半のロスタイムを3分以上も取る理由はどこにもなかった」「私の仕事は、チームを組織し、必要とあれば変えていくことだから、もちろん、この先、今日とは違うメンバーで戦う可能性もある。当然のことだ。3人のフォワードがこれまで一緒にプレーしたことがなかったって?練習ではいつも一緒にやっているし、キエーザを入れたのも単なる思いつきではない」

本日のヒーロー、ロベルト・バッジョのコメント。
「PKを蹴るときは、4年前のパサディナのことを思い出した。でも、どっちにしても入るか入らないか、結果は2つにひとつしかないんだと、自分に言い聞かせた」
「次にプレーする機会が与えられたら、今日と同じようにベストを尽くしたいと思う。これはもう何度も言っていることだけれど、ベンチに戻る事に関しては何の問題もない。自分はデルピエーロのリザーブだと思っている」

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