ユーヴェ―レアル直前情報+result
今日(5/20)アムステルダム・アレーナで行われるヨーロッパチャンピオンズリーグ決勝、ユヴェントゥスvsレアル・マドリッドの直前情報(と結果)をお送りします。1. 両チームの先発メンバー
ユヴェントゥス(3-4-1-2 a zona)
ペルッッツィ;
トッリチェッリ、ユリアーノ、モンテーロ;
ディリーヴィオ、デシャン、ダーヴィッツ、ペッソット;
ジダン;
デルピエーロ、インザーギsub:ランプッラ、ビリンデッリ、ディマシュ、ペッキア、タッキナルディ、フォンセーカ、アモルーゾ
レアル・マドリッド(4-4-2 a zona)
イルグナー;
パヌッチ、イエロ、サンチス、ロベルト・カルロス;
カレンブー、レドンド、セードルフ、ラウール;
モリエンテス、ミヤトヴィッチsub:カニザレス、サンツ、ジェーム、ヴィクトール、スーケル、アマヴィスカ、カランカ
◆ ◆ ◆ ユーヴェはあえて中盤を厚くする3バックを選んでいます。これは、パスの出所を押さえると共に、おそらく、攻撃の鍵となるであろうジダンの守備の負担を軽減し、より前寄りで自由に動けるようにすることを狙ったもの。レアルは、最も警戒すべき選手としてこのジダンを挙げており、場合によっては、セードルフかレドンドをマンマークで張り付けてくることもあり得ます。
ジダンが2トップの下、中央に位置するのに対し、レアルはラウールを左サイド上がり目に置きます。ディリーヴィオとトッリチェッリは、かなりの仕事を強いられることになりそう。このサイドにはロベルト・カルロスも控えていますが、ユーヴェとしては、彼に上がられるとかなり厄介なことになるのは目に見えているだけに、インザーギが右サイドに流れてロベ・カルを引きつける、という場面が多くなるかもしれません。ユーヴェのフィジカルコーチ・ヴェントローニは、選手たちのフィジカル・コンディションは非常にいい状態にあると明言しています。これがどこまで本当かはわかりませんが、少なくとも、メンバーの中に体調不良や故障を抱えた選手が見あたらないことは事実。出場停止もなく、ベストメンバーでゲームに臨みます。
一方のレアルもベストメンバーですが、不安要素を挙げるとすれば、攻撃の核、ミヤトヴィッチが「家庭の事情」(詳しくは不明)で精神的にロウだと伝えられること。しかし、チームとしては最高潮のモティベーションにあることは疑いありません。
大方のマスコミ(イタリアに限らず)は、ユーヴェやや有利と予想していますが、こればかりは戦ってみないとわかりません。ともかく好ゲームを期待しましょう。2.サポーター動向
今回、ユヴェントスは、クラブ割り当て分のチケットを、全てフィアット・グループの旅行代理店、フランコロッソに委ね、アムステルダムまでのチケット(飛行機、列車)と抱き合わせたツアー・パッケージ(もちろんマージンもしっかり乗せている)でのみ販売するという方法を採りました。ほとんど悪徳商法といってもいい、ユーヴェらしい(?)やり方です。トリノのポルタ・ヌオーヴァ駅からは、昨夜から今朝にかけて何本かのチャーター列車が、およそ1万人のティフォージを満載してアムステルダムに向け出発。10時間を超える列車の旅です。中には、ツアー出発地のトリノ(イタリアの北西の果てです)まで、南イタリア(ユヴェンティーノは南に多い)から、さらに10時間近くをかけてたどり着いた人々も少なくなかった様子。これで、試合終了後はそのまま駅に戻り、また10時間を超える帰路(+トリノからの10時間)が待っているというのですから、大変なものです。
もちろん、もっと楽ちんな、往復チャーター便・現地宿泊付き、というパッケージも3000席分ほど用意されていましたが、ここまでしようというティフォージというのは大概、そんなにお金持ちではないものです。20万円近い金額をたった1泊2日のツアーに投入できるのは、クルヴァに陣取る熱狂的なティフォージとは、階層が違う人々です。それでは、これらのパッケージに手が出なかったティフォージは、観戦を諦めるしかないのかというと、そんなことはないのがこの世界の謎めいたところ。
昨日から、アムステルダムの街には、チケットも泊まるところもないイタリア人のティフォージが、相当数うろうろしているようです。多くはイタリアから車で来た連中(こちらも10数時間の旅)で、とりあえず車の中で夜を過ごし、何とかダフ屋からチケットを買ってゲームを観ようという狙い。そして、街にはなぜか、100枚単位のチケット(ユヴェントス側のスタンドもあり)を手にしたダフ屋が、しっかり徘徊してもいるというのです。彼らの多くはナポリからの出稼ぎらしいと伝えられていますが、実際、普段の日曜日にミラノやトリノで行われるセリエAのゲームでも、ダフ屋はたいていナポリ人ですから、不思議な話ではありません(ちなみに、この事実と関係があるというわけでは決してないのですが、ユーヴェのモッジ・ディレクターはナポリの出身です)。
しかしもちろん、ティフォージたちも強者ですから、試合の前日にダフ屋の言い値(最低でもクルヴァ5万円、メインスタンド10万円以上)でチケットを買うようなことはしません。試合開始直前まで粘って、少しでも安く買い叩こうと待ちかまえています。中には、昨夜から手当たり次第「チケット持ってないか?」と、「飾り窓」のお姉さんにまで訊いて歩いている愚かなイタリア人もいるようですが...。しかし、ドラッグ・フリー、プロスティテューション・フリーの「夜のアムステルダム」を、事もあろうにサッカーのチケットを探して徘徊するというのも、不思議な光景ではあります。彼らにとっては、「カルチョ」こそが最も効くドラッグだということなのでしょうが。 (以上、5/20 13:00 wrote)3.結果:レアル1-0ユーヴェ
終わってみれば1-0。内容的にもユヴェントゥスの完敗でした。
ユーヴェらしいサッカーが見られたのは、最初の15分のみ。ハインケス監督が、ユーヴェの左サイド(ペッソット)はパヌッチ1人で抑えきれると判断したのでしょう、右サイドにいたカレンブーを中央に寄せて、デシャンからの展開とダーヴィッツの前進を完全に封じてから、ユーヴェは全く攻め手がなくなってしまいました。攻撃の基点となるべきデシャンは、ボールを持った瞬間にカレンブーとセードルフに詰められ、ダーヴィッツにもセードルフ、レドンドが2人でアタック、という調子で、中盤の真ん中では常にレアルが数的優位を保ちます。セードルフの驚異的な運動量に加え、レドンドのカバーリングのポジション取りは実に見事でした。この中盤での攻防が、その後のゲームの流れを決めたといってもいいでしょう。前半45分のダーヴィッツのセードルフに対するファウルは、間違いなく警告もの。すでにイエローをもらっていたダーヴィッツが、ここで「お情け」を受けていなければ、後半は11対10でした。
ユーヴェは、本来ならデルピエーロがもっと左サイドに開いてパスを受け、ドリブルあるいはパス交換で深いところまでボールを持ち込むというパターンがあるのですが、そのデルピエーロが、おそらく右足太腿に異常を抱えていたのでしょう、サイドにも開かず、中盤に戻って組み立てに参加することもいつもと比べれば少なく、マーカーを背負って前線でパスを待つのみ。こちらはいつものように縦へのダッシュを狙うインザーギとのコンビネーション、というか、それ以前にポジショニングのバランスさえ上手く取れない状況で、前半の半ば以降は、しばしば2人が言い争う場面も見られました。期待されたジダンも、前の2人が受ける態勢を作れないこともあり(これにはイエロの読みとアンティシペーションの見事さも大きく貢献していました)、ボールを放せずに結局奪われるというパターンが続きます。というわけで、前半20分過ぎからは常にレアルが押し気味にゲームを支配。ユーヴェのディフェンスは何とか持ちこたえますが、結局は後半半ばに喰らってしまいました。
右からの大きなサイドチェンジ・パスを受けたロベルト・カルロスが、例によってほとんどシュートのような鋭く低いクロスを中央に蹴り込み、このボールを止めきれなかったユリアーノに当たったボールは、不運にもゴール前に詰めていたミヤトビッチの前に(おそらく彼のポジションはオフサイドでしたが)。ミヤトビッチは、冷静にペルッツィを外して、ボールをゴールに押し込みました。両チームとも、完全にディフェンスが崩されるという場面はほとんどなかったものの、ゲーム自体は完全にレアルのペースでしたから、まあこの結果は順当といっていいでしょう。ユーヴェは、デルピエーロの不振(おそらくフィジカル面のトラブルによるものですが)につきます。こうして、ヨーロッパのクラブサッカー・シーズンも幕を閉じました。いよいよワールドカップです。イタリア代表のメンバー発表は明日(21日)。明後日からは、さっそくコヴェルチャーノのトレーニング・センターで合宿に入ります。しかし、デルピエーロにこういうことがあると、マルディーニ監督としても、いくら嫌いでも、やっぱりバッジョを呼ばざるを得ないのではないでしょうか。
代表メンバーは、発表され次第すぐにレポートしますので、明日もこのHPのチェックをお忘れなく。(5/20 23:30 wrote)当ページに対するご意見、ご感想をお待ちしています(こちらまで)。
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